無期雇用派遣とは?現役の無期雇用派遣ママが実体験と注意点を解説【子育て主婦におすすめ】

※本ページはプロモーションが含まれています。

無期雇用派遣とは?現役の無期雇用派遣ママが実体験と注意点を解説【子育て主婦におすすめ】
ママ
ママ

派遣社員になりたくていろいろ調べてるけど、無期雇用派遣ってなに?普通の派遣社員となにが違うの?

ママ
ママ

派遣会社から無期雇用派遣にならないか勧められたけど、どうしよう?

派遣社員になることを検討中だったり、派遣社員として働いていると「無期雇用派遣ってなに?」という疑問が浮かびます。検索結果にはネガティブなワードといっしょに候補が出てくるので、無期雇用派遣になってもいいのか悩みますよね。

実はいま、有期雇用派遣よりも無期雇用派遣のほうが増加傾向にあります。

【令和5年6月1日現在の状況概要】
派遣労働者数 約192万人
(対前年比: 3.4%増)
無期雇用派遣労働者 791,293人
(対前年度比:6.0%増)
有期雇用派遣労働者 1,133,162人
(対前年度比:1.6%増)

参考:労働者派遣事業の令和5年6月1日現在の状況(速報)−厚生労働省

私自身も、正社員と有期雇用派遣を経て、現在無期雇用派遣社員として子育てをしながら働いています。

【筆者の略歴】
正社員新卒から中小企業で約6年間就業
有期雇用派遣派遣先Aで1年6ヶ月就業。派遣先Bで就業して約1年後に無期雇用転換
無期雇用派遣派遣先Bで現在も就業中。有期雇用期間も含めると約7年間勤続(産休育休期間を除く)

無期雇用派遣は子育て中の主婦におすすめです。なぜなら、一般的な派遣社員である有期雇用派遣よりも、気に入った派遣先で長く安定して働くことができるからです。
※現在有期雇用派遣で働いていることが前提です。有期雇用派遣ではない人に無期雇用派遣をおすすめしない理由はこちら(本記事の別項目にジャンプします)

この記事では、無期雇用派遣とはなんなのか、主に子育て中の主婦にとってのメリットやデメリットなどを私の実体験を交えて解説します。この記事を読むと、無期雇用派遣になるか迷っている人がどう行動すればよいかがわかります。

結論から言うと、無期雇用派遣になるべきかどうかは「現在有期雇用派遣で働いている人が、今の派遣先で3年を超えても働きたいか・働けそうか」をひとつの指標として考えましょう。

目次

無期雇用派遣とは、派遣会社と無期限の雇用契約を結ぶこと

2013年4月1日、改正労働契約法(第18条 無期労働契約への転換)が施行されました。

無期労働契約への転換(第18条)

同一の雇用主との間で、有期労働契約が通算で5年を超えて繰り返し更新された場合は、労働者の申込みにより、無期労働契約に転換します。

参考:労働契約法改正のポイント(PDFファイル)−厚生労働省

これにより、1年や6か月単位などで有期契約労働をしている契約社員・派遣社員・アルバイト・パートなどが、みずからの申込みにより期間の定めのない労働契約 (無期労働契約)に転換されるルールとなりました。

「無期雇用派遣」とは「常用型派遣」ともいい、派遣会社と期間を定めず労働契約をむすんだ派遣のことです。派遣先での就業有無に関わらず、雇用関係が継続されます。

派遣先の会社にとっては必要な人材を長期的に確保しやすくなるため、後任の派遣社員を迎え入れるコストが削減でき、就労年数が長く仕事に習熟した派遣社員を育てることで効率的な業務遂行が期待できます。

無期雇用派遣社員にとっては自己実現やワークライフバランスを重視しつつ、「長期的な雇用を見据えた働き方ができる」という一定の安定感を持つことができます。

無期雇用派遣と有期雇用派遣の違い5つ

無期雇用派遣と有期雇用派遣の違い
無期雇用派遣と有期雇用派遣の違い

有期雇用派遣とは「登録型派遣」ともいい、最も一般的な派遣社員の雇用形態です。
無期雇用派遣が有期雇用派遣と違うのは、主に以下の5点です。

  • 雇用期間が無期限
  • 派遣先の同一部署で3年を超えても就業できる
  • 派遣先や就業開始時期の選択ができない
  • 採用選考がある
  • 給与制度の違いと賞与制度(ボーナス)の有無

一般的な派遣社員(有期雇用派遣)について、詳しくはこちら
子育てと仕事の両立は無理?派遣社員ママならかなう!【実体験よりメリット・デメリットを解説】

雇用期間が無期限

無期雇用派遣
派遣会社との雇用期間に期限がありません。派遣先での就業が終わっても、派遣会社との雇用関係はずっと続きます。
次の派遣先が見つからず就業をしていない待機期間は、「休業手当」として平均給与の約6割が支払われます。
有期雇用派遣
派遣会社との雇用期間は、派遣先での就業期間のみです。派遣先での契約期間が終わると、派遣会社との雇用関係もそこで終了します。あらたな派遣先での就業がまた始まると、派遣会社との雇用契約もまた再開します。
派遣先で就労していない待機期間に雇用関係はないため、その間の給与は支給されません。

派遣先の同一部署で3年を超えても就業できる

無期雇用派遣
派遣先での就業が3年間経過したあとも、同じ派遣先の同一部署で継続して働くことができます。ただし、派遣会社と派遣先の契約が終了してしまうと、その派遣先ではもう働けなくなります。
有期雇用派遣
同じ派遣先の同一部署で3年を超えて働くことができません。同じ派遣先の会社でも、部署を異動できればまたその後の3年間は就業することは可能です。これはいわゆる「3年ルール」といい、改正労働者派遣法の施行による有期雇用派遣特有の法律です。
参考:派遣で働く皆様へ(PDFファイル)−厚生労働省

派遣先や就業開始時期の選択ができない

無期雇用派遣
無期雇用派遣になったあとに有期雇用から継続している派遣先での就業が終わってしまうと、次の派遣先や就業を開始するタイミングを自分で選ぶことができません。派遣会社からの指示で派遣先と就業開始時期が決まります。
有期雇用派遣
いったん派遣期間が終了すると、派遣会社が新しい派遣先をいっしょに探してくれます。
次の派遣先は、自分の希望で自由に選ぶことができます。いつ就業を始めるかも、ある程度は自分で決めたうえで派遣先を探せます。

採用選考がある

無期雇用派遣
派遣会社との雇用契約が通算5年に満たないうちに無期雇用転換を希望する場合や、最初から無期雇用派遣として派遣会社に応募した場合、派遣会社の規定により採用選考を受ける必要があります。
もし採用選考に落ちたとしても、有期雇用派遣として派遣会社との雇用期間が通算5年を超えた場合、派遣会社は無期転換を断れないため申し込むだけで無期雇用派遣になれます。
有期雇用派遣
採用選考はなく、派遣会社に登録すれば有期雇用派遣になることができます。
面談はありますが、職歴やスキルなどのヒアリングのみです。

給与制度の違いと賞与制度(ボーナス)の有無

無期雇用派遣
派遣会社により、月給制と時給制があります。月給制であれば稼働日数が少ない月でも、毎月決まった額の給与がもらえます。
ボーナスを支給する派遣会社もあります。
有期雇用派遣
時給制です。GWや年末年始などの長期休暇がある月は、給与が少なくなってしまいます。
ボーナスの支給はありません。

無期雇用派遣と正社員の違い5つ

派遣社員と正社員の違い
無期雇用派遣と正社員の違い

無期雇用派遣と正社員は、「雇用期間が無期限」という大きな特徴が同じです。しかし無期雇用派遣は派遣社員であり、正社員ではありません。このことをきちんと理解しておきましょう。

無期雇用派遣が正社員と違うのは、主に以下の5点です。

  • 雇用主と就業場所が違う
  • 仕事の内容や責任が軽い
  • 教育訓練が有給で受けられる
  • 大手企業やそのグループ会社で働くのが容易
  • 年収中央値は正社員よりも低い

雇用主と就業場所が違う

無期雇用派遣
雇用主は派遣会社ですが、就業場所となる派遣先は派遣会社とは違う会社のため【間接雇用】です。
働く場所や仕事の指示をするのは、就業場所の会社である派遣先。給与の支給や福利厚生は、雇用主である派遣会社が提供します。
受けられる福利厚生の内容は、無期雇用・有期雇用にかかわらず、派遣社員も正社員と同等です。
詳しくはこちらの記事をご参考に
【産休・育休経験あり】派遣社員の福利厚生は正社員並み!出産・育児サポートやママ支援も

仕事・職場・働き方などの悩みは、派遣会社の担当者に相談することができます。
正社員
雇用主と就業場所がおなじ会社のため【直接雇用】です。
働く場所・仕事の指示・給与や福利厚生の支給 すべて雇用主の会社が行います。
仕事・職場・働き方などの悩み相談は、上司や専門部署に自分で直接かけあう必要があります。

仕事の内容や責任が軽い

無期雇用派遣
無期雇用・有期雇用にかかわらず、派遣社員は正社員よりも仕事の内容が難しくなく、責任は軽いです。派遣先にもよりますが、専門知識は最低限、通常業務以外の役割や会議・勉強会などの雑務もほぼありません。
正社員
会社から専門知識を深めるような自己研鑽が絶えず求められます。係や委員会などの役割を与えられ、会議や勉強会といった通常業務以外の雑務も多いです。非正規社員よりも残業が多い傾向にあります。
派遣社員などの非正規社員に比べると、仕事の責任が重いです。非正規社員ぶんの仕事の責任も、正社員が負っています。

教育訓練が有給で受けられる

無期雇用派遣
2015年9月の労働者派遣法改正により、労働者派遣事業の新たな許可基準として、派遣労働者の「キャリア形成支援制度」を有することが定められました。これによりすべての派遣会社は派遣社員に対するキャリア形成支援制度をもち、すべての派遣社員は派遣会社が行う教育訓練を無償かつ有給で受けることができるようになりました。
※教育訓練の内容は、派遣会社により異なります。
参考:派遣労働者のキャリアアップのため、 教育訓練計画を策定してください。(PDFファイル)-厚生労働省
正社員
正社員の教育訓練の内容は、業界の標準・法令や規制を考慮したうえで、基本的には各企業が自社のニーズや戦略に基づいて決定します。
実は派遣社員に比べると、会社に教育訓練の機会や費用負担をされる割合が低いです。 会社が正社員の教育訓練や自己啓発の支援に対して、費用を支出しているケースは約半数ほどです。

大手企業やそのグループ会社で働くのが容易

無期雇用派遣
無期雇用・有期雇用にかかわらず、派遣社員は大手企業やそのグループ会社でも働くことができます。正社員採用だとなかなか入れない会社でも、派遣社員なら比較的容易に入れます。
実際に派遣社員へのアンケートによると、「大企業の派遣先で働く派遣社員」の割合は46.2%です。
参考:派遣社員WEBアンケート調査結果2023年度(現在の派遣先の会社規模/PDFファイル)−一般社団法人日本人材派遣協会
正社員
大企業の正社員は、高学歴で優秀な人が多い狭き門です。大企業は日本の会社全体の0.3%しかなく、中小企業が残りの99.7%を占めます。割合からしても、大企業に正社員として入社することは難易度が高いです。
参考:中小企業・小規模事業者の数(2021年6月時点)の集計結果を公表します−中小企業庁

年収中央値は正社員よりも低い

中央値とは、データを降順または昇順で並べた時に、真ん中にある値のことです。極端に低い・高い数値の影響を受けないため、平均値よりも現実に則しているといわれています。

無期雇用派遣
無期雇用派遣の年収中央値は、約318万円です。仕事の内容や責任が軽いぶん、正社員より年収は下がります。

派遣社員の給与などの待遇は、「労使協定方式」または「派遣先均等・均衡方式」で定められています。簡単にいえば、「同種の業務で同じ地域で働く正社員」または「派遣先の正社員」と同等以上の賃金でなければいけません。つまり、正社員と同等の給与は保証されているということです。

給与制度派会社により異なりますが、主に月給制です。(時給制の派遣会社もあります。)

ボーナス支給される派遣会社もありますが、金額は基本給の半分〜1ヶ月分が年に1〜2回程度です。

昇給制度定期昇給はありませんが、実績次第で派遣会社から派遣先に交渉してもらうことは可能です。

【派遣社員の昇給】成果をアピールして交渉しよう!昇給金額も公開

参考:
令和4年度 労働者派遣事業報告書の集計結果(速報)(表7参照/PDFファイル)-厚生労働省
1人1日(8時間)あたりの賃金の中央値(13,284円)より、月収(20日労働として換算)と年収(月収の12か月分)を算出
派遣労働者の同一労働同一賃金について−厚生労働省
正社員
正社員の年収中央値は、約407万円です。仕事の内容や責任が重いぶん、他の雇用形態と比べて最も高い水準です。
会社によりますが、一般的には月収制で年2回のボーナスや定期昇給があります。年功序列制の会社では、年齢を重ねるほど給与が高くなります。

参考:令和4年賃金構造基本統計調査の概況(第6-3表参照/PDFファイル)-厚生労働省
産業別月収賃金の中央値(339,300円)より、年収(月収の12か月分)を算出

派遣派遣社員と契約社員の違い【無期転換も比較あり】

派遣社員と契約社員の違い【無期転換後の比較解説あり】
派遣社員と契約社員の違い

派遣社員も契約社員も、どちらも有期労働契約で就業期間は限定的です。しかし、どちらの働き方も無期雇用契約に転換すると雇用期間に期限はなくなります。

有期雇用の派遣社員と契約社員・無期転換した派遣社員と契約社員を、以下の8点において比較して解説します。

  • 雇用主
  • 雇用期間
  • 採用選考
  • ひとつの就業先で定年まで働ける可能性
  • 次の職場の探し方
  • 仕事の内容・責任
  • 教育訓練
  • 年収中央値

雇用主派遣社員は派遣会社、契約社員は就業先の会社

派遣社員と契約社員の根本的な違いは、「雇用主が就業先と違うか・同じか」です。

有期雇用派遣と無期雇用派遣
雇用主は派遣会社ですが、就業場所となる派遣先は派遣会社とは違う会社のため【間接雇用】です。
働く場所や仕事の指示をするのは、就業先の会社である派遣先。給与の支給や福利厚生は、雇用主である派遣会社が提供します。
受けられる福利厚生の内容は、無期雇用・有期雇用にかかわらず、派遣社員も正社員と同等です。
詳しくはこちらの記事をご参考に
【産休・育休経験あり】派遣社員の福利厚生は正社員並み!出産・育児サポートやママ支援も

仕事・職場・働き方などの悩みは、派遣会社の担当者に相談することができます。
有期契約社員と無期契約社員
雇用主と就業先が同じ会社のため【直接雇用】です。
働く場所・仕事の指示・給与や福利厚生の支給 すべて雇用主の会社が行います。

仕事・職場・働き方などの悩み相談は、上司や専門部署に自分で直接かけあう必要があります。

雇用期間無期転換すると無期限になる

有期雇用派遣
派遣会社との雇用期間は、派遣先での就業期間のみです。派遣先での契約期間が終わると、派遣会社との雇用関係もそこで終了し、あらたな派遣先での就業が始まると、派遣会社との雇用契約も再開します。
派遣先で就労していない待機期間に雇用関係はないため、その間の給与は支給されません。
無期雇用派遣
派遣会社との雇用期間に期限がありません。派遣先での就業が終わっても、派遣会社との雇用関係はずっと続きます。
次の派遣先が見つからず就業をしていない待機期間は、「休業手当」として平均給与の約6割が支払われます。
有期契約社員
就業先の会社との雇用関係は、契約期間のみに限られます。契約満了で延長されないと、そこで就業は終わります。契約が終了して次の就業先で契約社員となると、その会社で新たな雇用契約が結ばれます。
就業先の会社を辞めると給与は発生しません。
無期契約社員
就業先の会社との雇用期間に期限がありません。契約更新があるかどうかの心配をしなくてすむようになります。
就業先の会社を辞めると給与は発生しません。

採用選考有期雇用派遣と無期契約社員はなし

有期雇用派遣
採用選考はなく、派遣会社に登録すれば有期雇用派遣になることができます。
面談はありますが、職歴やスキルなどのヒアリングのみです。
無期雇用派遣
雇用契約が通算5年に満たないうちに無期雇用転換を希望する場合や、無期雇用派遣として派遣会社に応募した場合、派遣会社の規定により採用選考を受けなければなりません。有期雇用派遣での業務スキルや就業実績のほか、書類選考や面接が主な過程です。
もし採用選考に落ちたとしても、有期雇用派遣として派遣会社との雇用期間が通算5年を超えた場合、派遣会社は無期転換を断れないため申し込むだけで無期雇用派遣になれます。
有期契約社員
正社員と同等の書類選考、面接などの選考過程があります。
無期契約社員
有期契約社員からの無期転換する条件が満たせていれば、雇用主に申込みをするだけでよく、選考はありません。
雇用主は無期転換を断れないため、申し込むだけで無期労働契約がその時点で成立します。 無期労働契約に転換されるのは、申込時の有期労働契約が終了する日の翌日からです。

ひとつの就業先で定年まで働ける可能性

有期雇用派遣
「同じ派遣先の同一部署で3年を超えて就業することができない」という、いわゆる「3年ルール」があります。同じ派遣先の会社でも、部署を異動できればまたその後の3年間は就業することは可能です。
契約期間が3年単位で区切られるため、有期雇用派遣のままひとつの就業先で定年まで働くことは厳しいです。
参考:派遣で働く皆様へ(PDFファイル)−厚生労働省
無期雇用派遣
派遣先での就業が3年間経過したあとも、同じ派遣先の同一部署で継続して働くことができます。ただし、派遣会社と派遣先の契約が終了してしまうと、その派遣先ではもう働けなくなります。
派遣会社と無期限の雇用契約を結んではいるので、定年まで働くこと自体は可能です。しかし、ひとつの就業先(派遣先)で定年まで働ける可能性は正社員や無期契約社員と比べると低いです。
有期契約社員
3年ルールは有期雇用派遣のものなので、契約社員は該当しません。1度の契約期間は最長3年ですが、契約延長がされれば3年を超えても同一の就業先で働くことができます。
契約満了で延長されないとそこで就業は終わるため、ひとつの就業先で定年まで働くことは厳しいです。
無期契約社員
就業先の会社と無期雇用契約を結んでいるため、正社員同様にひとつの就業先で定年まで働くことができます。ただし、正社員同様解雇や退職勧告がないわけではありません。

次の職場の探し方派遣社員は派遣会社が探してくれる

有期雇用派遣
いったん派遣期間が終了すると、派遣会社が新しい派遣先をいっしょに探してくれます。
次の派遣先は、自分の希望で自由に選ぶことができます。いつ就業を始めるかも、ある程度は自分で決めたうえで派遣先を探せます。
無期雇用派遣
無期雇用派遣になったあとに有期雇用から継続している派遣先での就業が終わってしまうと、次の派遣先や就業を開始するタイミングを自分で選ぶことができません。派遣会社からの指示で派遣先と就業開始時期が決まります。
有期契約社員と無期契約社員
就業先との雇用契約が終わってしまうと、次の仕事探しは自分で行う必要があります。
希望の時間帯や週に何日働くか・どのような仕事がいいか・いつ就業を始めるかなどの詳細も自分で決めて応募することができます。

仕事の内容・責任

有期雇用派遣と無期雇用派遣
派遣社員は正社員よりも仕事の内容が難しくなく、責任は軽いです。派遣先にもよりますが、専門知識は最低限、通常業務以外の役割や会議・勉強会などの雑務もほぼありません。
有期契約社員と無期契約社員
正社員と同等またはそれに近い仕事の内容であることが多いです。そのため、責任も正社員同様に重いです。
中核的な仕事に携われることもあり、派遣社員よりもスキルアップや正社員登用が望めます。

教育訓練派遣社員は100%受けられ、さらに給与が発生する

有期雇用派遣と無期雇用派遣
2015年9月の労働者派遣法改正により、労働者派遣事業の新たな許可基準として、派遣労働者の「キャリア形成支援制度」を有することが定められました。これによりすべての派遣会社は派遣社員に対するキャリア形成支援制度をもち、すべての派遣社員は派遣会社が行う教育訓練を無償かつ有給で受けることができるようになりました。未経験の分野でも、初歩的な内容から段階的に学ぶことができます。
※教育訓練の内容は、派遣会社により異なります。
参考:派遣労働者のキャリアアップのため、 教育訓練計画を策定してください。(PDFファイル)-厚生労働省
有期契約社員と無期契約社員
正社員や派遣社員に比べて、教育訓練の機会や費用負担をされる割合が低いです。 会社が契約社員の教育訓練や自己啓発の支援に対して、費用を支出しているケースは約3割以下といえます。 ※このデータは契約社員に限定されていないため、他の雇用形態(正社員・契約社員以外)も含まれます。

年収中央値は派遣社員よりも契約社員のほうが高い

中央値とは、データを降順または昇順で並べた時に、真ん中にある値のことです。極端に低い・高い数値の影響を受けないため、平均値よりも現実に則しているといわれています。

有期雇用派遣と無期雇用派遣
年収中央値は、有期雇用派遣が約283万円、無期雇用派遣が約318万円です。仕事の内容や責任が軽いぶん、正社員や契約社員より年収は下がります。
派遣社員の給与などの待遇は、「労使協定方式」または「派遣先均等・均衡方式」で定められています。簡単にいえば、「同種の業務で同じ地域で働く正社員」または「派遣先の正社員」と同等以上の賃金でなければいけません。つまり、正社員と同等の給与は保証されているということです。

参考:
令和4年度 労働者派遣事業報告書の集計結果(速報)(表7参照/PDFファイル)-厚生労働省
1人1日(8時間)あたりの賃金の中央値(有期雇用派遣:11,809円・無期雇用派遣:13,284円)より、月収(20日労働として換算)と年収(月収の12か月分)を算出
派遣労働者の同一労働同一賃金について−厚生労働省

給与制度主に時給制です。無期雇用派遣は派遣会社により、月給制の場合もあります。月給制であれば、稼働日数が少ない月でも毎月決まった額の給与がもらえます。

ボーナス有期雇用派遣にはありませんが、無期雇用派遣に限り支給する派遣会社もあります。金額は基本給の半分〜1ヶ月分が年に1〜2回程度です。

昇給制度派遣社員に定期昇給はありませんが、実績次第で派遣会社から派遣先に交渉してもらうことは可能です。
具体的な昇給交渉のやり方は、こちらをご参考に
【派遣社員の昇給】成果をアピールして交渉しよう!昇給金額も公開
有期契約社員と無期契約社員
年収中央値は、有期契約社員が約317万円、無期契約社員が約337万円です。契約社員は派遣社員よりも仕事の内容や責任が重いぶん、年収は高いです。しかしボーナスの支給額が低いこともあり、正社員の年収中央値(約407万円)よりは低い傾向にあります。
参考:令和5年度 契約社員に関する実態調査 第2章 事業所調査の集計結果(18.2【第100~103表】参照/PDFファイル)-東京都産業労働局
業務内容別平均年収より中央値を算出

給与制度就業先の会社により異なり、月給制や年俸制などがあります。

ボーナス支給があるかどうかは、就業先の会社により異なります。
契約社員へのボーナスを支給している会社は、有期雇用・無期雇用問わず全体の約半数です。
支給額は、有期雇用・無期雇用問わず「年間で20万円以上40万円未満」が最も多いです。
参考:令和5年度 契約社員に関する実態調査(概要版 3.3.3 賞与の支給状況参照/PDFファイル)−東京都産業労働局

昇給制度契約社員にも定期昇給はありません。。契約更新時に昇給交渉をすることは可能ですが、昇給できるかどうかは就業先の会社によります。
契約社員個人への調査の結果を見ると、約3割の契約社員は、正社員と比べて昇給がよくないと思っていることがわかります。 
参考:令和5年度 契約社員に関する実態調査 第3章 契約社員(個人)調査の集計結果(16.8【第75表】参照/PDFファイル)-東京都産業労働局 

派遣派遣社員とパート・アルバイトの違い【無期転換も比較あり】

派遣社員とパートタイムの違い【無期転換後の比較解説あり】
派遣社員とパートタイムの違い

アルバイトやパートなど、1日の労働時間や1週間の労働日数が正社員よりも少ない人のことを「パートタイム労働者」といいます。本記事では、パート・アルバイトをあわせて「パートタイム」として解説します。

派遣社員もパートタイムも、どちらも有期労働契約で就業期間は限定的です。しかし、どちらの働き方も無期雇用契約に転換すると雇用期間に期限はなくなります。
有期雇用の派遣社員とパートタイム・無期転換した派遣社員とパートタイムを、以下の8点において比較して解説します。

  • 雇用主
  • 雇用期間
  • 採用選考
  • ひとつの就業先で定年まで働ける可能性
  • 次の職場の探し方
  • 仕事の内容・責任
  • 教育訓練
  • 年収中央値

雇用主派遣社員は派遣会社、パートタイムは就業先の会社

派遣社員とパートタイムの根本的な違いは、「雇用主が就業先と違うか・同じか」です。

有期雇用派遣と無期雇用派遣
雇用主は派遣会社ですが、就業場所となる派遣先は派遣会社とは違う会社のため【間接雇用】です。
働く場所や仕事の指示をするのは、就業先の会社である派遣先。給与の支給や福利厚生は、雇用主である派遣会社が提供します。
受けられる福利厚生の内容は、無期雇用・有期雇用にかかわらず、派遣社員も正社員と同等です。
詳しくはこちらの記事をご参考に
【産休・育休経験あり】派遣社員の福利厚生は正社員並み!出産・育児サポートやママ支援も

仕事・職場・働き方などの悩みは、派遣会社の担当者に相談することができます。
有期パートタイムと無期パートタイム
雇用主と就業先が同じ会社のため【直接雇用】です。
働く場所・仕事の指示・給与や福利厚生の支給 すべて雇用主の会社が行います。

仕事・職場・働き方などの悩み相談は、上司や専門部署に自分で直接かけあう必要があります。

雇用期間無期転換すると無期限になる

有期雇用派遣
派遣会社との雇用期間は、派遣先での就業期間のみです。派遣先での契約期間が終わると、派遣会社との雇用関係もそこで終了し、あらたな派遣先での就業が始まると、派遣会社との雇用契約も再開します。
派遣先で就労していない待機期間に雇用関係はないため、その間の給与は支給されません。
無期雇用派遣
派遣会社との雇用期間に期限がありません。派遣先での就業が終わっても、派遣会社との雇用関係はずっと続きます。
次の派遣先が見つからず就業をしていない待機期間は、「休業手当」として平均給与の約6割が支払われます。
有期パートタイム
就業先の会社との雇用関係は、契約期間のみに限られます。契約満了で延長されないと、そこで就業は終わります。契約が終了して次の就業先でパートタイムとなると、その会社で新たな雇用契約が結ばれます。
直接雇用のため、就業先の会社を辞めると給与は発生しません。
無期パートタイム
就業先の会社との雇用期間に期限がありません。契約更新があるかどうかの心配をしなくてすむようになります。
直接雇用のため、就業先の会社を辞めると給与は発生しません。

採用選考有期雇用派遣と無期パートタイムはなし

有期雇用派遣
採用選考はなく、派遣会社に登録すれば有期雇用派遣になることができます。
面談はありますが、職歴やスキルなどのヒアリングのみです。
無期雇用派遣
雇用契約が通算5年に満たないうちに無期雇用転換を希望する場合や、無期雇用派遣として派遣会社に応募した場合、派遣会社の規定により採用選考を受けなければなりません。有期雇用派遣での業務スキルや就業実績のほか、書類選考や面接が主な過程です。
採用選考に落ちたとしても、有期雇用派遣として派遣会社との雇用期間が通算5年を超えた場合、派遣会社は無期転換を断れないため申し込むだけで無期雇用派遣になれます。
有期パートタイム
就業先の会社より、面接などの選考過程があります。
無期パートタイム
有期契約から無期転換する条件が満たせていれば、雇用主に申込みをするだけでよく、選考はありません。
雇用主は無期転換を断れないため、申し込むだけで無期労働契約がその時点で成立します。
無期労働契約に転換されるのは、申込時の有期労働契約が終了する日の翌日からです。

ひとつの就業先で定年まで働ける可能性

有期雇用派遣
「同じ派遣先の同一部署で3年を超えて就業することができない」という、いわゆる「3年ルール」があります。同じ派遣先の会社でも、部署を異動できればまたその後の3年間は就業することは可能です。
契約期間が3年単位で区切られるため、有期雇用派遣のままひとつの就業先で定年まで働くことは厳しいです。
参考:派遣で働く皆様へ(PDFファイル)−厚生労働省
無期雇用派遣
派遣先での就業が3年間経過したあとも、同じ派遣先の同一部署で継続して働くことができます。ただし、派遣会社と派遣先の契約が終了してしまうと、その派遣先ではもう働けなくなります。
派遣会社と無期限の雇用契約を結んではいるので、定年まで働くこと自体は可能です。しかし、ひとつの就業先(派遣先)で定年まで働ける可能性は正社員や無期契約社員と比べると低いです。
有期パートタイム
3年ルールは有期雇用派遣特有のものなので、パートタイムは該当しません。
契約期間の終了に際し、延長されないとそこで就業は終わるため、ひとつの就業先で定年まで働くことは厳しいです。
無期パートタイム
就業先の会社と無期雇用契約を結んでいるため、正社員同様にひとつの就業先で定年まで働くことができます。ただし、正社員同様解雇や退職勧告がないわけではありません。

次の職場の探し方派遣社員は派遣会社が探してくれる

有期雇用派遣
いったん派遣期間が終了すると、派遣会社が新しい派遣先をいっしょに探してくれます。
次の派遣先は、自分の希望で自由に選ぶことができます。いつ就業を始めるかも、ある程度は自分で決めたうえで派遣先を探せます。
無期雇用派遣
無期雇用派遣になったあとに有期雇用から継続している派遣先での就業が終わってしまうと、次の派遣先や就業を開始するタイミングを自分で選ぶことができません。派遣会社からの指示で派遣先と就業開始時期が決まります。
有期パートタイムと無期パートタイム
就業先との雇用契約が終わってしまうと、次の仕事探しは自分で行う必要があります。
希望の時間帯や週に何日働くか・どのような仕事がいいか・いつ就業を始めるかなどの詳細も自分で決めて応募することができます。

仕事の内容・責任

派遣社員・パートタイムどちらも、正社員よりも仕事の内容が難しくありません。派遣先や勤務先にもよりますが、専門知識は最低限でよく、通常業務以外の役割や会議・勉強会などの雑務もほぼありません。そのため定時で退社しやすいです。仕事をするうえで責任感は必須ですが、正社員や契約社員ほど責任は重くありません。

無期転換する際、職務・勤務地・賃金・労働時間といった労働条件は、基本的に直前の有期労働契約と同一となります。しかし就業年数を重ねることで知識やできる仕事が増え、その結果任される職務も増える可能性はあります。

教育訓練派遣社員は100%受けられ、さらに給与が発生する

有期雇用派遣と無期雇用派遣
2015年9月の労働者派遣法改正により、労働者派遣事業の新たな許可基準として、派遣労働者の「キャリア形成支援制度」を有することが定められました。これによりすべての派遣会社は派遣社員に対するキャリア形成支援制度をもち、すべての派遣社員は派遣会社が行う教育訓練を無償かつ有給で受けることができるようになりました。未経験の分野でも、初歩的な内容から段階的に学ぶことができます。
※教育訓練の内容は、派遣会社により異なります。
参考:派遣労働者のキャリアアップのため、 教育訓練計画を策定してください。(PDFファイル)-厚生労働省
有期パートタイムと無期パートタイム
正社員や派遣社員に比べて、教育訓練の機会や費用負担をされる割合が低いです。会社がパートタイムの教育訓練や自己啓発の支援に対して、費用を支出しているケースは約3割以下といえます。 ※このデータはパートタイムに限定されていないため、他の雇用形態(正社員・パートタイム以外)も含まれます。

年収中央値はパートタイムよりも派遣社員のほうが高い

中央値とは、データを降順または昇順で並べた時に、真ん中にある値のことです。極端に低い・高い数値の影響を受けないため、平均値よりも現実に則しているといわれています。

有期雇用派遣と無期雇用派遣
時給の中央値とそれをもとに換算した年収中央値は、以下のとおりです。
有期雇用派遣約1,476円、年収約283万円
無期雇用派遣約318万円

派遣社員は、パートタイムより時給が高い傾向にあります。
派遣社員の給与などの待遇は、「労使協定方式」または「派遣先均等・均衡方式」で定められています。簡単にいえば、「同種の業務で同じ地域で働く正社員」または「派遣先の正社員」と同等以上の賃金でなければいけません。つまり、正社員と同等の給与は保証されているということです。

参考:
令和4年度 労働者派遣事業報告書の集計結果(速報)(表7参照/PDFファイル)-厚生労働省
1人1日(8時間)あたりの賃金の中央値(有期雇用派遣:11,809円・無期雇用派遣:13,284円)より、時給(1時間あたり給与)を算出
派遣労働者の同一労働同一賃金について−厚生労働省

給与制度主に時給制です。無期雇用派遣は派遣会社により、月給制の場合もあります。月給制であれば、稼働日数が少ない月でも毎月決まった額の給与がもらえます。

ボーナス有期雇用派遣にはありませんが、無期雇用派遣に限り支給する派遣会社もあります。金額は基本給の半分〜1ヶ月分が年に1〜2回程度です。

昇給制度派遣社員に定期昇給はありませんが、実績次第で派遣会社から派遣先に交渉してもらうことは可能です。
具体的な昇給交渉のやり方は、こちらをご参考に
【派遣社員の昇給】成果をアピールして交渉しよう!昇給金額も公開
有期パートタイムと無期パートタイム
時給中央値は、1,240円です。(無期雇用or有期雇用別のデータなし。)1日8時間、ひと月に20日就業したとして年収に換算すると約238万円となり、他の雇用形態よりも低いです。
参考:毎月勤労統計調査 令和4年度分結果報(時系列表第7表参照/PDFファイル)-厚生労働省

給与制度主に時給制です。

ボーナス基本的にボーナスはありません。まれにボーナスや寸志が支給される会社もあります。

昇給制度パートタイムに定期昇給をしている会社は多くはありません。定期的な昇給を正社員に実施している企業のうち、パートタイムにも定期的な昇給を実施している企業は約3割ほどです。
参考:令和3年パートタイム・有期雇用労働者総合実態調査の概況(表3参照/PDFファイル)-厚生労働

子育て主婦・ママが無期雇用派遣になるメリット

有期雇用派遣やほかの雇用形態と比較したうえで、子育て中の主婦・ママが無期雇用派遣になるメリットを解説します。

  • 有期雇用派遣よりも雇用・キャリアが安定している
  • 正社員や契約社員よりも心に余裕をもちやすい
  • アルバイトやパートよりも高時給
  • 仕事のパートナーができる

有期雇用派遣よりも雇用やキャリアが安定している

無期雇用派遣は派遣会社との無期限の雇用関係を結んでいるため、有期雇用派遣よりも定年まで働ける可能性が高いです。

次の派遣先が見つからず就業をしていない待機期間は、「休業手当」として直近3ヶ月の平均賃金×60%が支払われます。(派遣会社により100%の給与が支払われたり、派遣会社での労働が必要な場合もあります。)

派遣先の同一部署で3年を超えても働くことができるため、次の派遣先でイチから仕事を覚えたり、人間関係を再構築する機会がぐっと減ります。

派遣社員は有期雇用・無期雇用にかかわらず大企業やそのグループ会社で働くことも比較的容易なため、そのノウハウや仕事の仕組みを知ることができます。無期雇用派遣は長年に渡り働ける可能性があるため仕事の習熟度も上がり、さらなるスキルアップが望めます。

みーこ
みーこ

以上のことから、無期雇用派遣は有期雇用派遣よりも雇用やキャリアが安定しているといえます。

就労条件のある子どもの預け先をずっと利用できる

子どもが保育所・認定こども園(3号認定枠)・地域型保育施設(3号認定)・公設の学童保育に通っていると、保護者に就労などの条件が必要です。

無期雇用派遣なら、もし派遣先での就業が終わっても派遣会社との雇用契約は続いているので、「就労中」として保育所や学童保育への通園を続けることができます。

有期雇用派遣だと、派遣先との契約期間が終わってしまうと「就労中」から「求職中」となってしまいます。市町村が定める期間以内に新たな派遣先を決めないと、今通っている保育施設を退園しないといけなくなります。

また有期雇用派遣は契約期間に合わせて定期的に就労証明書を提出する必要がありますが、無期雇用になると定期的な就労証明書の提出は不要です。

みーこ
みーこ

年1回程度の就労証明書や現況届の提出はあります。

筆者の体験談

有期雇用派遣のときに「無期雇用派遣のデメリットをのんでも今の派遣先で長く働きたい」という思いが強く、無期転換することに決めました。今の派遣先である程度仕事を覚え、やりがいを感じていたからです。

今の派遣先で勤めて7年になり、派遣先内の派遣社員のなかでは経験年数が長いです。ほかの派遣社員はしていない通常業務外の仕事を任されたり派遣先上司に仕事上の相談をされたりと、業務の幅は広まっています。
転勤や異動はなく、慣れた環境で慣れた仕事ができ、わからないことがあってもどのように解決すればいいかがわかるので働きやすいです。仕事が安定しているぶん、プライベートでは子育てに集中しやすいです。

子どもの預け先は認定こども園で、0歳の頃から通っています。産休前にはすでに無期雇用派遣になっていたため、親が正社員の場合と同様に就労証明書の提出は年1回のみです。

派遣社員の保活についてはこちらもご参考に
【派遣社員の失敗しない保活】第1希望の園に受かった派遣ママが徹底解説!【7つのポイント】

正社員や契約社員よりも心に余裕をもちやすい

派遣社員は正社員や契約社員よりも仕事内容や責任が軽いです。そのため、仕事とプライベートの切り替えがしやすく心に余裕をもちやすいです。退社後は余計な雑念が入らないので、気が滅入ることもなく子どもに向き合いやすくなります。

また派遣社員は派遣先の休日配置により休みが決まるため、派遣先が大企業やそのグループ会社なら「完全週休2日制・祝日休み・夏季、冬季の長期休暇」など年間休日が多くとれます。

みーこ
みーこ

仕事の内容が軽いので、有給休暇も取りやすいです。

筆者の体験談

私が正社員の頃は自分の仕事に思い悩み、退社後や休日も仕事のことをよく考え込んでいました。通常業務以外にも与えられる役割・会議・提出物なども多かったです。通常業務だけで毎日必死なのに、それ以外にも時間や労力を割かないといけないことが苦痛でした。
隔週土曜出勤があり長期休暇は短く、年間休日は100日もありません。有給休暇が使いづらい雰囲気があり、退職するときは有給消化だけで2ヶ月間休みました。

子どもができたのは派遣社員になってからですが、子育てをしながら正社員の仕事を続けるのはきつかっただろうなと容易に想像できます。

派遣社員である現在、退社後は仕事のことを考えてしまうことはそうないので、心に余裕をもって子どもと接しやすいです。
自分にとって適切な責任感で仕事ができるようにもなりました。その適度な責任のなかである程度自由に仕事をさせてもらえた時に、初めて「仕事が楽しい」と思うことができ、やりがいも感じられました。役割を与えられることも、会議の出席や提出物もなくなり、とても気が楽です。

現在は完全週休2日制で夏季・冬季休暇は9日間ほど、年間休日は130日ほどあり、有給休暇も取りやすいです。休日が多いためリフレッシュしやすく、子ども連れでの帰省や旅行の日程調整もしやすいです。

アルバイトやパートと比べると高時給

派遣社員の給与は、アルバイトやパートよりも高めに設定されています。会社の直接雇用となるアルバイトやパートよりも、求人や面接、給料や社会保険料の支払い等にかかるコストを削減できるからです。

夫の扶養内で働くためにパートを選択している主婦も多いです。それでもパートより高時給の派遣社員として働くと、同じ金額をパートよりも短い時間で稼ぐことができます。忙しいママにとっては活かせる時間が増えるのはうれしいですよね。

派遣社員はデスクワークの印象が強いかもしれませんが、アパレル系やショップ販売員、スーパーのレジなど、パートやアルバイトでも募集しているようなお仕事もあります。

みーこ
みーこ

同じ職種なら、派遣社員の方が収入面でお得です。

直接雇用にはない仕事のパートナーができる

有期雇用・無期雇用問わず、派遣社員には「派遣会社」という心強い仕事のパートナーがついています。これは間接雇用である派遣社員だけがもつメリットで、正社員・契約社員・パートタイムなどの直接雇用にはありません。

  • 自分の経歴やスキルにあう仕事を探してくれる
  • 仕事の悩みだけでなく、職場や働き方などの悩みも相談できる
  • 昇給交渉してくれる
  • 給与発生で教育訓練が受けられる

自分の経歴やスキルにあう仕事を探してくれる

新しい仕事を探すとき、自分の経歴やスキルに加え職務態度や人柄までをわかってくれている派遣会社が後押ししてくれるのは、とても心強いです。
雇用形態を問わず、年齢を重ねるほど仕事に応募しても採用されるのは厳しくなっていきます。それでも無期雇用派遣であれば何かしらの仕事は派遣会社に見つけてもらえます。
派遣会社によっては紹介予定派遣や正社員などの求人を扱うこともあるため、派遣社員になったあとのほかの雇用形態への転身も目指せます。

みーこ
みーこ

ママの転職活動は子どもの預け先のことも調整しながらになるので大変ですが、派遣社員ならお仕事探しは派遣会社にある程度お任せできます。

仕事の悩みだけでなく、職場や働き方などの悩みも相談できる

仕事のことで派遣先に直接言いづらいことがあれば、派遣会社の担当者に相談することができます。仕事そのものへの悩みだけでなく、職場や働き方などの悩み相談も可能です。
例えば「仕事が多くて大変」「同僚(正社員・派遣社員問わず)とうまく付き合えない」「妊活中・妊娠中・子育て中の働き方」「今後のキャリアプラン」など、仕事に関するいろいろな悩みを相談できます。(具体的な仕事のやり方などは、派遣先に直接確認するほうがよいこともあります。)
相談内容によっては派遣会社から派遣先に調整依頼などの交渉をしてくれて、悩みが解決することもあります。

昇給交渉してくれる

派遣先への昇給交渉も派遣会社がしてくれます。
基本的に、正社員のような定期昇給は派遣社員にはありません。しかし契約内容で求められている基準以上の仕事をして派遣先に成果が認められれば、昇給できる可能性はあります。

みーこ
みーこ

派遣会社と成果内容を共有すると、派遣先に昇給交渉をしてもらえます。

教育訓練が有給で受けられる

すべての派遣社員は、派遣会社が行う教育訓練を無償かつ有給で受けることができます。派遣会社は派遣社員に対して教育訓練を行うことが派遣法で定められているため、派遣社員になれば必ずその派遣会社の教育訓練を有給で受けることができます。参加するかどうかは任意で決められます。
この法律は、派遣社員のキャリア形成を目的としています。キャリア形成とは、仕事に関する目標を設定し、それに向かってスキルや経験を積み重ねていくプロセスのことです。
派遣会社の教育訓練を利用することは、派遣社員が仕事を通じて自己実現するための一助となります。

筆者の体験談

派遣社員になって初めての派遣先A社は、業績悪化のため派遣切りの噂が流れていました。そんななか、派遣会社は現在の派遣先B社へのマッチングを勧めてくれました。私の経歴とB社が求めるスキルが合致し、私は派遣先が途絶えることなく就業を続けることができました。

派遣会社は担当営業者と定期的な面談の場を設けてくれていて、今までいろいろなことを相談してきました。同僚の派遣社員に問題行動があり業務に支障が出ていること、出産・育休後も今の派遣先で働きたいこと、派遣社員からの転職を考えていることなど、すべての悩みに対していつも真摯に向き合ってくれます。提案や解決までしてくれることもあります。
実際に産休前の派遣先で仕事復帰できた詳細はこちら
【実績あり】派遣社員が産休前と同じ派遣先で仕事復帰する方法【3つの手順】

私が正社員の頃は、上司にこのような相談ができる機会も雰囲気もありませんでした。派遣社員という間接雇用のしくみは、自分では言いづらいことも派遣会社が代理で交渉してくれるため働きやすさにつながるなと感じています。

昇給については、「昇給はありません」と最初から念押しされていたり、念願の初めての昇給が【時給5円UP】というショックなできごとも。そこのともあり、「派遣社員は自分から行動しないと昇給してもらえない」と思い知りました。そこで昇給するために目標設定や成果を記録して派遣会社に提出することで、今は納得できる昇給をしてもらえるようになりました。とはいえ、時短で育休から復帰した最初の昇給にはまたショックを受けました。


【派遣社員の昇給】成果をアピールして交渉しよう!昇給金額も公開

育休から復帰した時短派遣社員が昇給に絶望した記事はこちら
【時給公開】時短派遣社員ワーママの昇給【時短だと昇給できない?】

正社員の頃は定期昇給はありましたが、その昇給額は派遣社員になってからもあまり変わりません。私の場合、正社員の頃の最大昇給額と派遣社員になってからの月収換算した最大昇給額は、同じです(月収換算で4,000円程度)。
正社員の頃は定期昇給はあるものの、昇給考課に必要な社長面談や決められた堅苦しい書式の提出物が苦痛でした。派遣社員になってからは話しやすい派遣会社の担当者に自分で作成した成果表を提出してアピールすれば、派遣会社が派遣先に昇給交渉してくれるので本当に助かっています。

みーこ
みーこ

金額にばらつきはありますが、年1回の昇給が実現できています。

子育て主婦・ママが無期雇用派遣になるデメリット

子育て中の主婦・ママが無期雇用派遣になるデメリットも解説します。ここをよく検討して、無期雇用派遣になるかの判断をしてくださいね。

  • 正社員やほかの無期契約の雇用形態よりも雇用・キャリアが不安定
  • 有期雇用派遣のように派遣先や就業開始時期を選べない
  • 正社員や契約社員よりも年収が下がる

正社員やほかの無期契約の雇用形態よりも雇用・キャリアが不安定

無期雇用派遣は有期雇用派遣よりも雇用・キャリアが安定していますが、正社員や無期契約社員・無期契約パートタイ厶よりは不安定です。

無期雇用派遣は派遣先の同一部署で3年以上働くことはできても、派遣会社と派遣先の契約が終了すればその派遣先ではもう働くことができないからです。

この記事を読んでくれているかたは「夫が家計の中心」の世帯であることが多いと思います。
派遣契約が終了しても夫の収入があると世帯収入がゼロになることはありませんが、生活費の半年分は常に預貯金で用意しておくなど、世帯収入が減ったときの対策はしておきましょう。

筆者の体験談

私は今の派遣先が好きで7年いますが、ここで定年まで働いている未来はまったく想像できません。「派遣先からは必要とされている」と感じることはできますが、業務内容は電子化やテンプレート化がどんどん進み、考えて行動することが減ってきたように思います。

業務効率化の面ではよいのですが、このまま自動化が進むと、いつかは契約が終了されるときがくるだろうなと感じています。

しかし、派遣先が変わるということは以下のようなメリットもあります。

  • 仕事の適性がわかる
  • スキルアップができる

雇用が不安定だからこそ得られるメリット:仕事の適性がわかる

派遣先が変わると、とうぜん仕事内容も変わります。

色々な仕事を経験することで、自分にはどのような仕事が合っているのか、逆に向いていないのかがわかります。仕事により必要なスキルも異なるので、スキルアップにも繋がります。

筆者の体験談

私は正社員からの仕事も含め、勤務先が変わるなかで、自分にはどんな仕事が合うのかがわかるようになりました。

事務作業は好きだし、人からも褒めてもらえるので得意だと思う事務職は合っている

話すことが苦手なので、事務職に必須の電話応対では取り次ぎですむものがいいBtoC企業の正社員より、BtoB企業派遣先の派遣社員が向いている

静かに黙々と仕事がしたいと思っていたけど、全く人と話さないのもつらいある程度はコミュニケーションが必要な仕事が向いている

実際に勤務先が変わるごとに、「自分に合った仕事」に徐々に近づいていく感覚がありました。

みーこ
みーこ

いろいろな仕事を経験することで、自分の向き・不向きがわかるようになります。

雇用が不安定だからこそ得られるメリット:スキルアップができる

同じ事務職でも、働く会社が変わるとそれに必要なスキルも異なります。 派遣先が変わることで、その先々で異なるスキルを習得できます。

筆者の体験談

私は勤務先ごとに、以下のようなスキルを身に着けました。

1社目新卒正社員・営業事務
基本的なPCスキル、電話応対や報連相・職場の雰囲気づくり等のコミュニケーションスキル、事務処理の正確性とスピード、タスク管理スキル、緊急時の臨機応変な対応

2社目派遣社員・一般事務
スケジュール管理スキル、Excel操作スキル

3社目派遣社員・営業事務
ショートカットキーを駆使したPC操作、わかりやすいマニュアル作成、業務効率化の提案力

特に珍しいスキルではありませんが、どれも事務職には即戦力となるものです。各勤務先で身につけたスキルは、後々の勤務先で役立っています。

みーこ
みーこ

多数の勤務先を経験することで、スキル習得の幅が広がります。

有期雇用派遣のように派遣先や就業開始時期を選べない

無期雇用派遣になると、有期雇用派遣とは違い次の派遣先を自分で選ぶことができません。次の派遣先では給与が減ったり、通勤時間が長くなったり時短勤務できなくなったりと条件が悪くなったとしても、断れません。就業開始時期も選ぶことができず、派遣会社から命じられた派遣先とタイミングで就業を始めなければいけません。

この点は「自由に働くことができる」という従来の派遣社員にとっての大きなメリットが失われるため、無期雇用派遣最大のデメリットとなります。

無期雇用派遣は派遣会社との雇用が無期限で、派遣先での就業がない間にも給与が発生します。これは派遣社員にとってメリットではありますが、派遣会社からすると働いてない派遣社員に給与を支払う状態は長く続けたくありません。いったん派遣先での就業が終わってしまうと、希望に沿わなくてもそのときに募集のある派遣先での就業を命じられる可能性があります。

無期雇用派遣で派遣先を変えたい場合は、契約期限後は更新したくない旨を派遣会社に伝えます。ただ有期雇用派遣と違い、派遣会社に承認してもらえるかはわかりません。

しかし意外な仕事にもし適性があったとすれば、自分のちがう一面を知る機会となり、新たなキャリアを積めるチャンスにもなります。

筆者の体験談

派遣会社からは「もし今の派遣先が終了したら、次の派遣先は通勤2時間以内で業務内容もなるべく考慮する」とは言われています。

通勤1時間でも長いし、業務内容も自分で検討することができないので、派遣先の場所や仕事内容によっては長く続けられないかもしれません。派遣先を変えたくても派遣会社に承認されない場合は、新しい働き方を考える必要があります。

ですが、もし今まで経験したことのないような仕事を与えられたとしても、努力次第で適正があるとわかるかもしれません。そう考えると前向きに考えられますし、派遣先が変わっても生かせるようなスキルを今の派遣先で磨いていこうと思えます。

正社員や契約社員よりも年収が下がる

派遣社員はパートやアルバイトより時給は高いですが、賞与がありません。無期雇用派遣には賞与を支給する派遣会社もありますが、正社員や契約社員ほどもらえるわけではありません。基本給の1ヶ月分を年に1・2度程度です。そのため、正社員や契約社員よりも年収が下がることが多いです。

筆者の体験談

私が正社員営業事務だったころと、派遣社員になってからのひと月の収入はさほど変わりません。隔週の土曜日出勤やサービス残業がなくなり、通勤時間も1時間半程短くなったぶん、時給換算するとむしろ上がったくらいです。
でもボーナスはなくなったので、年収でいうと50万円程は下がりました。(私が契約している派遣会社は、無期転換してからも時給制でボーナスもありません。)

それからはお金について勉強を始め、支出を抑えて貯蓄に励みました。

正社員時代になんとなくやっていた地方銀行での普通預金に比べると、iDeCoにジュニアNISA、金利の高いネット銀行等、蓄財の手段が増えました。貯蓄率は「手取りの10%」だったのが、現在は「手取りの40%」に増やせています。 

年収が下がったことで、お金と自分の生活に対して真剣に向き合うことができたからだと思っています。派遣社員になり時間にも気持ちにも余裕ができたので、色々と勉強することができています。

使えるお金を増やすため、一時的なものもありますが以下のような方法があるのでご参考に。実際にやってみた注意点も記載しています。(別記事へのリンクです。)

育休復帰1年目の手取りを増やす方法
時短で仕事復帰した場合、復帰1年目の社会保険料を減らすことで手取りを増やすことができます。
保育料を下げる方法
出産費用を医療費控除し、産休育休中や時短勤務中は配偶者控除をすることで住民税を減らすと、保育料を下げられます。
派遣会社に昇給交渉する方法
派遣会社に昇給交渉して、昇給額が5倍になった方法を具体的に解説します。
みーこ
みーこ

どんな働きかたにも言えることですが、無期雇用派遣になるならメリットとデメリットを理解しておきましょう。

無期雇用派遣がおすすめな人の条件3つ

無期雇用派遣になることをおすすめすできるは、以下の条件をすべて満たす人です。

  • 現在有期雇用派遣で就業中である
  • これからも今の派遣先で働き続けたい
  • 派遣先の状況は、今後数年は仕事が続けられそうである

無期雇用派遣がおすすめな人の条件①現在有期雇用派遣で就業中である

まずひとつ目の条件は、「現在有期雇用派遣で就業中」だということです。

有期雇用派遣にならずに、いきなり無期雇用派遣になることはおすすめしません。なぜなら、無期雇用派遣になると派遣先を自分で選ぶことができないからです。

無期雇用派遣から始めるということは、最初から無期雇用派遣最大のデメリットと直面しなければならないということです。
通勤時間がかかったり、希望のお仕事や時間帯ではない派遣先への就業を命じられる可能性があります。派遣先を変えたいと思っても、有期雇用派遣ほど簡単ではありません。

みーこ
みーこ

すでに有期雇用派遣で働いていることが前提条件です。

無期雇用派遣がおすすめな人の条件②これからも今の派遣先で働き続けたい

ふたつ目の条件は、「これからも今の派遣先で働き続けたい」という思いがあるということです。

無期雇用派遣最大のメリットは、派遣先の同一部署で3年を超えても派遣社員として働けるということです。これを活かせるのは「今の派遣先が気に入っていて、長く働きたいと思っている人」です。

もし派遣先を変えたいと思っていれば、今は無期雇用派遣になるべきではありません。無期雇用派遣になると派遣先を自分で選ぶことができなくなるからです。

みーこ
みーこ

有期雇用派遣で自分にあう派遣先を見つけてから、無期雇用派遣を検討してみましょう。

まず派遣会社を決めるのではなく、派遣のお仕事さがしから始めるのがおすすめ

派遣会社規定の無期転換時期にご注意!

有期雇用派遣が派遣先の同一部署で働けるのは3年が上限ですが、無期雇用派遣に転換できるのは「同一の雇用主との間で、有期労働契約が通算で5年を超えて繰り返し更新された場合」が条件です。

無期転換の条件である5年よりも有期雇用派遣が同一部署で働ける上限3年が先にきてしまうため、派遣会社に登録して初めての派遣先では無期転換できない可能があります。無期転換できなければ、派遣先に直接雇用してもらうしかその派遣先で働き続ける方法はありません。

ですが、派遣先での3年間の就業を機に無期転換できるような社内規定となっている派遣会社もあります。(その場合は、派遣会社からの選考試験を受ける必要があるかもしれません。)
いずれ無期雇用派遣として働きたい場合は、事前に派遣会社に確認しておきましょう。

みーこ
みーこ

私が契約している派遣会社は、雇用期間が1年半経つと選考のうえ無期転換することが可能でした。

「まだ派遣会社に無期転換してもらえる期間に達していないけど、今の派遣先で3年以上働き続けたい。でも直接雇用は無理そう…」という人に向けて、このようなサービスをご紹介します。

大手派遣会社であるアデコの独自のサービスです。アデコ以外の派遣会社に登録している有期雇用派遣でも、現在の派遣先で2.5年以上継続して就業していれば、アデコの無期雇用派遣社員に応募ができます。

アデコのハケン2.5の選考に通過することができれば、今の派遣会社で無期雇用派遣になれなくても、アデコの無期雇用派遣として今の派遣先で働き続けられます。※通常の無期雇用派遣同様、アデコと派遣先の契約が終了すれば、その派遣先での就業は終わります。

キャリアコーチ制度や、就業開始初日から有給休暇を10日間付与してくれたりと、福利厚生も充実しています。

無期雇用派遣がおすすめな人の条件③派遣先の状況は、今後数年は仕事が続けられそうである

最後の条件がいちばん難しいのですが、「いまの派遣先は、今後数年は仕事が続けられそうだと思える状況か」ということです。

もしいまの派遣先と派遣会社の契約が終わってしまうと、無期雇用派遣であろうとその派遣先ではもう働けません。(「派遣先と派遣会社の契約が終わる」というのは、派遣先から「もう派遣社員は必要ありません」と派遣会社に言われるということです。)

こうなると、その次の就業については「派遣先を自由に選ぶことができない」という無期雇用派遣最大のデメリットと向き合わないといけなくなります。
無期転換の直後に派遣会社と派遣先の契約が終わってしまい、そのあとの派遣先が希望に沿わないため派遣会社とトラブルになった、ということにもなりかねません。

難しいところですが、以下の判断基準を参考にしてください。

派遣先の正社員と派遣社員の仕事がまったく違う
派遣先の正社員と派遣社員の仕事が明確にちがうと「この仕事は派遣社員」という立場ができているので、派遣先と派遣会社の契約が終わる可能性は(少なくとも数年間は)低いです。
派遣先の経営状況はどうか
派遣先の経営状況が悪くなると、人件費削減のため最初に切られやすいのは派遣社員です。何十年も先の会社の業績というのは想像できませんが、派遣先が公開している財務諸表を読み解くことである程度自分でも現在の業績はわかります。こちらのリンク先の記事がわかりやすく参考になります。
【企業研究】企業の売上の調べ方とは? 上場/非上場ともに紹介!-就活HAND BOOK

筆者の体験談

派遣社員になって初めての派遣先A社は、派遣社員の仕事を正社員が完全に理解していました。しかしA社は業績悪化のため、のちにすべての派遣社員との契約更新をやめました。

派遣先2社目のB社は、正社員と派遣社員の仕事内容が明確に違っていました。そのため派遣社員がしている具体的なシステム操作をわかっていない正社員も多いです。もし派遣社員を切るとなると、正社員は派遣社員がしている業務の習得をしなければならず、容易ではありません。

派遣先の正社員と派遣社員の仕事がまったく違うほうが、派遣先で働き続けられる可能性が高いです。幸い、私は派遣先Bで無期雇用派遣になってから6年間の就業を続けられています。

無期雇用派遣になる方法

無期雇用派遣になるには、以下の2つの方法があります。

  • 有期雇用派遣から無期雇用派遣に転換する
  • 無期雇用派遣を募集している派遣会社に応募する

「無期雇用派遣を募集している派遣会社に応募する」はおすすめしないため、こちらのやり方の解説は割愛します。(理由はこちらで解説。)もし「無期雇用派遣を募集している派遣会社に応募する」ことに興味がある場合は、こちらの注意点をご確認ください。

有期雇用派遣から無期雇用派遣に転換する条件

  • 同一の派遣会社で有期労働契約の通算期間が5年を超えていること
  • 契約の更新回数が1回以上行われていること
  • 現時点で同一の派遣会社との間で契約していること
  • 2013年4月1日以降に締結・更新した有期労働契約であることが前提です。
  • 派遣会社の規定により、5年よりも短い期間で無期転換できる場合もあります。その場合は派遣会社による採用選考があるかもしれません。
契約がない期間について
途中で6か月以上契約がない期間があると、それ以前の契約期間は「通算」に含められません。
有期雇用派遣の労働契約は「派遣先で就業している期間のみ」となります。そのため、派遣先との契約が終了し、新しい派遣先での就業が始まる期間も「通算」には含められません。
労働条件について
職務、勤務地、賃金、労働時間といった労働条件は、基本的に直前の有期労働契約と同一となります。

【参考】
無期転換の準備、進めていますか?−厚生労働省
契約期間が 5 年を超えたら「無期転換」できます
ー厚生労働省

みーこ
みーこ

契約期間が通算5年あれば、派遣会社に申し込むだけで無期転換できます。5年未満だと、派遣会社の規定により選考を受ければ無期転換できるかもしれません。

筆者の体験談

私は派遣会社との通算契約期間は5年未満でしたが、派遣会社規定により選考を受け無期転換しました。
選考内容は派遣会社により異なりますが、私の場合はそれほど難易度は高くなかったです。選考内容は、「有期雇用派遣での業務スキルや就業実績」「適性テスト」「申込書の提出」でした。

業務スキルや就業実績は、派遣会社との面談で「派遣先からは評価してもらっている」と言われていたので、自信がありました。
適性テストは、新卒の就活をしていたときのSPI試験のようなものでした。難しくて解答できないものも多く、正解率はそれほど求めていないのでは?という印象です。
申込書は、志望理由などの自由に記載できる欄に「現在の業務内容や意欲、無期雇用派遣を志望する理由、無期転換後はどのような姿勢で業務を続けたいか」などを枠いっぱい使って書き込みました。

私がいる派遣先では、無期転換を希望した全員が合格できていました。

「正社員」をうたう無期雇用派遣の求人にご注意!

前項でおすすめしないと解説した「無期雇用派遣を募集している派遣会社に応募する」場合の注意点です。
実際には無期雇用派遣の求人なのに、「正社員」として募集をしている求人を見かけます。
以下は、大手求人サイトの一例です。(文章は少し変えています。)

雇用形態正社員
当社の正社員として採用します。
※無期雇用派遣
まぎらわしい求人例①
雇用形態正社員
※無期雇用派遣
当社の正社員として入社後、大手企業を中心に派遣されます。
まぎらわしい求人例②

正社員なのか派遣社員なのわかりづらいですよね。この求人サイトに「派遣社員」という雇用形態の検索項目がないからこうしているのかもしれません。それとも雇用形態を「正社員」としておくことで少しでも応募を集めたいのか?とも疑ってしまいます。

実際には、無期雇用派遣は正社員ではありません。派遣会社と派遣先の契約が終了してしまうと、その派遣先でまだまだ働きたいと思っていても、働けなくなります。無期雇用派遣は正社員よりも不安定な雇用形態です。

みーこ
みーこ

なぜこんな表記ができるのかというと…

実は「正社員」という言葉に定義はありません。正社員と非正規社員の大きな違いは「雇用期間が定められているかどうか」です。派遣会社が派遣社員を「期間を定めずに雇用する」ということは、大きなくくりでいうと正社員と言うことができてしまいます。

しかし、その派遣会社のいわゆる総合職や営業職などの正社員と同じ扱いではなく、あくまでも「無期雇用派遣枠の社員」扱いとなります。派遣社員として派遣先で働くので、正社員ではなく派遣社員です。

まとめ 無期雇用派遣は【今の派遣先で長く働きたい有期雇用派遣社員】にはおすすめ!

無期雇用派遣について、有期雇用派遣やほかの雇用形態と比較して解説しました。

メリットデメリット
有期雇用派遣よりも雇用・キャリアが安定している
正社員や契約社員よりも心に余裕をもちやすい
アルバイトやパートよりも高時給
仕事のパートナーができる
正社員やほかの無期契約の雇用形態よりも雇用・キャリアが不安定
有期雇用派遣のように派遣先や就業開始時期を選べない
正社員や契約社員よりも年収が下がる
無期雇用派遣のメリット・デメリット

私の実体験では、「無期雇用派遣は、今の派遣先との契約が続く限りは育児と両立しやすくちょうどいい働き方。でも今の派遣先が終わってしまったあとは少しと不安」という感覚です。

今の派遣先で長く働きたいと思っている有期雇用派遣のかたは、ぜひ無期雇用派遣を検討してみてください。

みーこ
みーこ

まだ有期雇用派遣ではないかたは、まずは派遣のお仕事探しから始めてみましょう!

ママのゆとりあるお仕事&育児ライフを応援しています!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次